「若いね。」
久しぶりに、そう言われた。
こう見ても、わたしは五百歳くらい。
彼女のように千年以上生きた方から見ると、わたしは未だ若いらしい。
「よく頑張ったね。」
そう言われ、頭をよしよしされた。
「うん!」
嬉しくなって、子どもみたいな返事になった。
恥ずかしい。
久しぶりに褒められて、舞い上がってしまった。
「いやだった?」
そう、彼女に問われた。
「ううん、違うの。久々に褒められたから、舞い上がってしまって、
恥ずかしくなっただけ。ありがとう。嬉しかった。」
久々に自分と同じ種族と出逢って思う。
この思い出も、あっという間に共有できなくなるのかなって。
人間のように、本当にあっという間に居なくなってしまうのかなって。
「大丈夫だよ。私は人間じゃないから、あっという間に居なくならない。」
「うーん、それなら二百年後、また会おう。」
「いいの?」
「うん!」
「じゃあ、ここで会おう。」
「うん!」
「じゃあね。」
「またね。」
これが貴女との出会い。
今日、貴女と5回目の約束。
あのときは、千年先まで続くとは思わなかった。
遠くで貴女を見つけ、わたしは手をふる。
貴女もまた、手をふりかえしてくれた。
「久しぶりね。」
わたしは、いつものように舞い上がって言う。
「久しぶり。」
貴女もまた、いつものように微笑み、そう言う。
2/3/2024, 4:10:42 PM