日月希

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やってやる、やってやるぞ…!
明は出発の準備をしながらそう呟いた。
日焼け止めやサングラス、クーラーボックスの中身の確認を済ませ、車に積みこむ。
目的地はもちろん海。

車にエンジンをかけ、ラジオをつける。
聞くのはいつものFMラジオのニュースだ。
ラジオから流れる音声にめぼしい情報はない。
株価がどうとか、芸能人が結婚とか、そんなのばっばっかりだ。今日は安全そうだな。

そんな事を考えている間にニュースが終わり、天気予報が始まる。
天気なんてどえでもいい。
今日は遊びに行くのではないのだから。
今から僕は死体を捨てに行くのだから。

事の発端は昨日の夜。
ナンパした女を家に連れ帰り、自宅のベッドで行為におよんだ後の事だった。
明がトイレに行ってる隙に女が明の鞄から財布を抜き取ろうとしていた。
そして、その現場を帰ってきた明が見てしまった。

ここからはよくある話だ。
女との口論がヒートアップして喧嘩に発展。
明は女に掴みかかり、揉み合いになる。
そんな時に近場に置いてあった扇風機が目に入った。

そして、そして、、、ああ。
その女をつい、そう、ついなのだ。
つい、かっとなって殺してしまった。

その時は焦って死体を家に隠してしまったが、冷静になれば悪手だった。
変に思った家族が警察に通報すれば、女のスマホから位置を割り出されていただろうし、昨日の海に僕と女が一緒に帰る姿を見た者が居たかもしれない。
僕が捕まるのも時間の問題だ。

だからこそ今日決行してやる。
たとえ嵐が来ようとも

7/29/2024, 8:52:30 PM