題 春爛漫
素敵な陽気。
桜の花があちこちで満開の今日。
私は彼氏とデートに出かける約束をしている。
嬉しくて早めに来ていた私よりも、彼氏の方が早く待ち合わせ場所に到着している。
「おはようっ、びっくりした。私より早いね!」
私の顔を見て、彼氏が微笑む。
「おはよう。早く綾に会いたくて、早起きしちゃったよ」
その言葉に心の中からジ~ンと暖かくわきあがってくるものを感じる。
好き、大好き。
この春のふんわり暖かい陽気も相まって余計に気持ちが有頂天に高まっていくのを感じる。
彼氏と腕を組んで歩いていると、街路樹に植えてある満開の桜の木からハラハラと美しく桜の花びらが降り注ぐ。
風が吹くと花びらがさらに乱舞し、その光景は美しく、思わず止まって見とれてしまう。
「春っていいね・・・」
私は呆然と美しい桜吹雪を見ながら呟くと、彼氏がクスッと笑う。
「あ、どうして笑ったの?」
私が尋ねると、彼氏は、
「だって、綾、春も夏も秋も同じこと言ってたから」
「えっ、そうだっけ?」
・・・でも言ってたかも。四季それぞれにその季節の良さがあるんだから仕方ないよ。
それに・・・。
私は隣をチラッと見る。
「あなたがいるから、どの四季も素敵に見えるんだよ」
私は心からの本心を打ち明けると、弾んだ気持ちで彼氏に笑いかけたんだ。
4/10/2024, 11:41:51 AM