“ River〃 ”

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 嫌な出来事に遭遇すると必ず直ぐ …〝 だから早く死にたいっていうんだよ。生まれてこなきゃよかったって思うんだよ。〟そう言いたくなるのは … 思ってしまうのは … 先ず第一に戦う訳には行かないからだよ。戦うというか争うと言った方がより正しいかも知れない。人間はね、時折状況に応じて身勝手に神様になってしまいやられたんだからやり返していい … そういう身勝手な断定を下し … そして時には相手の時間まで止めてしまったりする … 永遠のね。永遠の停止。私はね … なんだか知らないが … 出来なかったんだよ。だから勿論様々な周囲からいや出逢えば必ず早かれ遅かれ舐められる。皆、舐め腐る。わかっててもね … やっぱりだめなんだよ。私は神様ではないので、そういう身勝手な取り決めはどうしても出来ないのですよ。だから … 最近やっとわかったんです。みんな、私以外の人々はすべて神様なんだろうなって。54年生きて来てやっとわかったんです。






 大義 … … … 私にはわからないのである。

 やさしい風に撫でられる時、好みの女性に両手の指先と掌で顔の頬に触れられ瞼を閉じて唇を近づけられた時みたいな … 。

 雨は、時には私自身の言いわけや愚痴の縦書きの降る様であったりまた時には、止むのを待つしかない女房から投げられる説教であったり … 。

 旅は、死わりを探しに辿るある種の時流からの逃亡でもあり乍ら道端に懐郷を見つけて拾い持ち帰る石ころの如くいつの間にか姿を消していなくなる。

 幼稚園生の頃に家族旅行の帰り道、旅先に置いてきた笑顔や楽しさに奮えた思いが染み込んだ過ぎ去った時間に虚ろっていたら当時確か小5の姉に〝 こどもなのよ。〟と窘められた時の事を印象深く記憶している。

 生きている理由を雨の日の電柱に尋ねてみたり、アスファルトに咲くファミリーみたいなたんぽぽに〝 幸せそうで何よりです。〟と話しかけてみたり … 。

 血の臭いにタイトルを付けるとしたらなんてふと思い立ったらその直後前頭葉辺りに素早く降ってきたのは〝 憎しみ、薫る … 。〟だったりした。

 それでも私には理解できないのである。

 大義とは。生命とは。

6/26/2025, 10:23:54 PM