〈お題:風のいたずら〉
眠いのは、誰?
そよかぜに撫でられる。窓からゆったりと。
今日もよろしくお願いします。
永い瞬きを終えて風の行く末に目を向ける。
風は未完の原稿用紙を散らして歩く。
終わってないことを咎めているようだ。
風が部屋を物色するのを僕?私…は深呼吸で受け入れる。どうぞ散らしてください…と。
部屋の常連さん。少しお転婆な常連さんだ。
私に?僕に冷たいけれど、来てくれると空気が変わる。文字通り。年中その日の熱を帯びてくる。外の荒波をも超えて、僕?私に逢いにくる。
流石に今日はお終いだ。
ぶるんっと震えた身を乗り出して窓を閉める。
ばざぁー。
別れの瀬戸際、積まれた原稿が地に落ちた。
1/17/2025, 2:58:42 PM