ー忘れたくても忘れられないー私は何もできず、ただ呆然と見ることしか出来なかった。温もりを無くしていくその様は、まるで一輪の花が枯れていくようだった。手を握って名前を呼んでも、もう戻らない。最期の時、一筋の涙が流れた。それは、私への最期の返事だったんだと思う。いまでも、その涙が忘れられない。そのやるせない思いが、今も私の胸を締め付ける。それでも、最期に立ち会えて良かったと思う。それが、私のたった一つの救いだ。
10/17/2024, 10:44:10 AM