ふきのとうの天ぷらを頬張ると、ほろ苦い芽吹きのときが訪れた。
間髪入れずにポップを過分に含んだほろ苦い麦酒を胃袋に流し込む。
するとどうだ。
苦味を苦味が綺麗さっぱり洗い流してしまったではないか。
扉をノックをしたはずの春の足音は、アルコールと共にいつもの日常に溶け込んで、結局酔いちくれた私だけが独りリビングに取り残された。
——— 芽吹きのとき ———
3/2/2025, 12:48:34 AM