せつか

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子守唄が存在しない社会があるという。
ネットで見た記事を流し読みしただけだからうろ覚えだけれど、歌や舞踊という文化が人口の減少と共に失われていった可能性がある、というのだ。

歌が無い世界とはどんなものだろう。
私が日々聞いている歌が、そもそも歌という概念自体が存在しない世界というのは、私の今生きている世界とどう違うのだろう。

そんなに大差は無いのかもしれない。
歌があって当たり前の世界に生きているから、無い世界に違和感を覚えるのであって、初めから歌が無い世界に生きていたら、歌という概念自体知らずに生きるだけのことなのだ。
歌が無い世界を勝手に〝さみしい〟と思うこと自体が私のエゴなんだろう。

当たり前にあるものが当たり前でない。
当たり前にあるものはいつか消える可能性もある。
私の中の当たり前は、私が生きる社会でだけの当たり前なのだ。


END


「歌」

5/25/2025, 12:34:19 AM