家の玄関を出たら、道路を挟んで反対側に公園がある。
目の前に俺の家があるってのに、アイツはいつもこの公園に引き留めてきて、ベンチに並んで座ってアイスを食べてた。
道をいくつか曲がったところには、交番がある。
アイツ、交番の目の前で滑って転んで、駐屯してた警察官に吹き出されてたな。
さらに進むとあらわれるのは、狭いくせに車通りの多い道。
…あの雨の日、アイツが傘を忘れて、二人で俺の傘に入って帰ってた。
この道を歩いている途中、でかい車が通ってきて、よけた拍子にアイツの頬に鼻が触れて…
あの時からだったか、アイツを意識するようになったのは。
ああ、そういえば、この道を抜けた先には………
【記憶の地図】
6/16/2025, 12:20:21 PM