Nagi。

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過ぎ去ったものを愛せない。
美化されるはずの過去は黴の匂いがする。
血と暴言と洗脳の記憶。
アタシは母を嫌いになった。
アタシのことを罵った口で、いい教育だと宣う母を。

教育虐待も、性的虐待も知らなかった頃、
アタシは幸せだった。
泣きながら勉強をしていた。
〈女の子〉を否定された。
隣のリビングからは喘ぎ声が聞こえて、
朝になると玩具が床に転がっている。
ずっと、世界は酷くなる一方だった。

学校は嫌いだ。
アタシは友人関係というものに尽く向いていない。
それでも、好きな人がいる。
生きている意味だったりする。
その人には彼女がいる。
誰かは知らないけれど、アタシじゃ敵わない人。
敵わなくても、見ているだけで生きていこうと思う。

今、生きている青春をきっとこの先思い出す。
そう信じているけれど、
アタシの部屋は相変わらず黴の匂いがする。
そして、部屋の隅には嘗ての涙が溜まっている。


テーマ:sweet memories

5/17/2026, 12:44:48 PM