氷の刃みたいに風が全身に突き刺さる。涼しくなってきたばかりだ、と思って油断していた。こんなに寒いだなんて。もっとちゃんと厚着すべきだったなぁなんて後悔するけれどもう手遅れだ。適度に涼しく心地良かった秋は一瞬で、まるで最初から存在して無かったかのように跡形もなく過ぎ去ってしまった。だけど。冬は温もりを、貴方の暖かさをより一層感じられるから嫌いじゃない。吹きゆく風に背中を押されながら、少し足早に歩いていった。『冬の始まり』
11/30/2024, 3:19:13 AM