30代の母、同居嫁

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ありがとう、ごめんね

お風呂でたまに思い出す、ひいばあちゃんのこと。私が小学5年生の時に転倒して足の骨を折り、寝たきりになってしまったひいばあちゃん。
転倒してしまったのは、風呂焚き場がある土間と台所と段差。本来ならば私がするべき風呂焚きをひいばあちゃんが代わりにしたのだ。
学校の宿泊学習でその夜は私が不在だった。ひいばあちゃんは誰に頼まれもせずに土間に降りた。
じいちゃんが亡くなってから1人で風呂焚きを担っていたひいばあちゃんにやってみたいから教えてほしいと頼んだのが小学3年生。それから1年間の修行期間を経て身に付けた自宅の風呂焚き。できる同級生は当時1人もいなかったので、私は鼻が高かった。
完全に私の仕事となっていたそれを、宿泊学習に行く前にひいばあちゃんに頼んだのか、違う誰かに頼んだのか、いや、すっかり忘れていたのだと思う。ひいばあちゃんが亡くなって15年近くになるが、まだ胸が締め付けられる。
そして、写真には残っていないけれど、ずっと心に残っている景色と経験。一緒に山に入って枯れた杉の葉っぱを拾ったこと、太い薪に絡み付いた火を見つめお互いの話をしたこと。ひいばあちゃんとでも、私1人きりでも、火と向き合う時間が大好きな時間であったこと。

ごめんね、だけど、ありがとう。

12/8/2022, 2:56:43 PM