或る本の巣、模写。

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6月22日(日)

書く習慣からのお題
【日常】

【なんの花?】
やぶでまり
[年齢を美しく重ねる]

【今日の色】
スカーレット


スカーレットの紅を引き
私の原宿を闊歩する。
キュートでラブリーな私も素敵だけど
今日はいつもよりちょっとだけ
ワルでいきたい気分。

厚底ヒールも履きたいけれど
尻もちをついたら治りも悪い年頃で
そんなことより今日という記念日を
完璧に過ごしたい。

小ぶりな黒い日傘に艶やかな
リボンの波が美しい。
黒いドレスは膝上の丈。
柄の細かい編みタイツと
パープルストッキングを
組み合わせてレイヤードを楽しむ。

腰のコルセットは編み上げで
ふんだんにあしらわれた
ローズの刺繍が細かくて綺麗。
老眼鏡がなきゃ見えないけれど。
あ〜あ、やだやだ。
自分で老眼鏡なんて言いたくないわ。
[リーディンググラス]だって
コーデの一部にしちゃうんだから
ほんとに私は唯一無二。




みて、やばくね?

あのババア痛くね?




通りすがりのクソガキが
わざと耳に入る声でさえずった。
ご丁寧に指までさして。
母親の腹の中からやり直しな!

貴様らが60になった時
同じことをクソガキに言われるか
さびれたスーパーの衣料品を着て
背虫のババアをやってるだろうよ。

まだ経験もしていない未来を
甘くみてんじゃないよ。
と、まあ昔の私だったら
昨日までの私だったら言ってるね。

今日は私のゴスロリ記念日。
ゴスロリを愛して愛されて
気づいて振り返ったら50年。
積み重ねた日々は
辛くて重いこともあったのに
「ここで終わり」と決めた途端
揺れるドレスの裾くらい
短くて愛しくて仕方がないの。

人生最後の、ゴスロリの日。
美しく、年を重ねた私の最後。
誰に何を言われようと。
最後まで、私らしく。

6/23/2024, 1:29:41 AM