程良い距離を保ちながら並ぶ机は、少しずつ好きな方を向く。線を引いたようにまっすぐ並ぶ様子は今まで見たことがない。
空をうつす大きな窓に吸い寄せられるように、ぺたぺたと廊下の果てまで歩き、左下に視線をやる。階段、しかも下り。向き直りながら小さくため息をつく。
昔からスリッパは苦手。歩いてるとすぐ脱げそうになる。これを履いてスタスタと進む人は、私とは何かが根本的に違うんだろうなってずっと思ってる。
随分と低い位置の手すり。小さく見える何もかもが、変わってしまったことに気付かせてくる。この場所がではなく、私が。あの頃とは全然違う何もかもに取り囲まれて、懐かしいはずの場所が全く知らない世界に見えた。
〉放課後
10/13/2022, 3:56:25 AM