腹有詩書氣自華

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ずっとスマホを見ていた。
何度も画面を開いては閉じ、また開いては閉じた。
何かの通知が来るたびに心が跳ね上がり、
それが違うとわかるたびに、少しずつ落ちていく。

指がまたスマホへ伸びる。

君からの言葉は、どこにもなかった。

だから僕は、君を探した。
でも今日の僕には、何もない。

夜の静寂は、こんなにも冷たかっただろうか。

誕生日の終わりを告げる時計の針が、次の日へと進む。その瞬間、僕はスマホを裏返して机に置いた。

「しょうがない」

誰に言うでもなく、呟いた。

でも、本当はまだ、探していた。

──────題.君を探して──────

3/14/2025, 11:38:09 AM