「幸せに」
「ようやくこの騒動にも区切りがついたね!!!
まさかキミと一緒に解決できるなんて思いもよらなかったよ!!!本当に、本当にありがとう!!!」
あぁ。この長い戦いに決着がつくとは自分も思ってなかった。
あんたの役に少しくらいは役に立てただろうか?
そうだったらいいんだが……。
「そうだね!!!キミは大いに寄与してくれたよ!!!」
そうか、そうだったんだな。
それなら、よかった。
だが、この宇宙の危機を乗り越えたってことは、自分たちよりも遥かに上位存在であるあんたとはここでお別れだ、ってことだよな。
このうるさい暮らしに終止符を打つときがようやくきたんだ。
ほっとするような、寂しいような。
「あぁ、そうだね!ここにはもう用がなくなっちゃったから、ボクも元いたところに戻るとするかな!!」
「今までありがとう!!!
キミも、いつかちゃんと幸せになりなさい」
そういった瞬間、ミントグリーンの髪の自称マッドサイエンティストは目の前から姿を消した。
そうか。これで本当に終わったんだな。
いつもならずっとやかましい声が響いていたのに、あっという間に静かになった。
この隙間を埋めようとして、自分は買い物に出かけた。
スーパーやホームセンターの店内のごった返す音が、思わずあいつを思い出させる。
寂しさを紛らわすためにきたはずなのに、かえって寂しくなってしまった。
買い物もほどほどに、自分は早々に家に戻った。
「あぁ!!おかえり!!!」
……???
そこにはもう元の居場所に戻ったはずのあんたがいた。
「戻ろうと思って実際戻ってみたけど、ヒマだな〜と思ってまた来ちゃったよ!!!いいだろう?!!」
別にいいよ。
「ほ〜らまたそうやって照れる〜!!!素直に嬉しいと言いたまえよ!!!」
はぁ。これからまた賑やかな生活が元通りになるのか。
あえて言葉には出さないけど、正直ちょっと嬉しい。
「さて!!!もう晩御飯の時間だよ!!!」
そういってあんたはハンバーグをこね始めた。
ありがとう。
これからもよろしく。
3/31/2024, 5:08:05 PM