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         ☆「願い事」☆
ささのはさーらさら♪
 7月7日今日はそう、七夕だ。
 通学路にある商店街、一度は歌ったことのある歌が聞こえてくる。中央の広場には
      「願いをかけてください」
              と書かれた看板があった。
その隣には大きな竹、たくさんの短冊がかかっている。
 「ヌーパーヒーローになりたい!」
字を習ったばかりなのだろうか、「ス」が「ヌ」になっている。小1、いや保育園児なんだろう。
 「あいつと仲直りしたい」
友達と喧嘩でもしたんだろうか、仲直りしたい気持ちは大切だ。
 「あいつのケガが治りますように!」
ケガ?人のケガが治るように願うなんて、よくわからないなぁ
 「あいつとまた会いたい」
この子は友達と別れてしまったんだろうか、転校それとも…
 そう思って裏の名前を見たとき気づいた。
全部名前が同じ拓哉って人が書いたらしい。
 なにこれ、気持ち悪い…
「あれ、x1/5◯s5■8?」
 え、今なんて言ったんだ?
後ろには顔がわからない、見えない人がいた
「そんなわけないよな…あいつはもう」
声で気づいたこいつは拓哉だ…
「今年はなんて書こうか…」
そう言って彼は消えた。
拓哉は幼馴染だった。
そっか…俺亡くなってたんだ…
俺は短冊を一つ取り願いを書いた。
   「拓哉が俺の分まで長生きできますように」
     空を見ると一番星が輝いていた。
     

7/7/2025, 1:34:48 PM