御蔭

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執着との境界線は何処にあるのだろうか。
ずっと考えていた。物語を描く昼時、眠る前の深夜。
誕生日も命日も何もない日も。答えはまだ出ない。
「大丈夫、彼はいつも君の傍にいる」
目線の先には、真っ白で皺のない制服。胸は生前より多くの勲章が飾られている。ならば、前を向いて歩くほかないのだ。

『錨を揚げよ』
お題「手放す勇気」

5/17/2025, 5:43:45 AM