ひとつぶのしずく

Open App

「愛を注いで」

僕は、いつもこの時間に起きる。
起きていちばん最初にするのは背伸び。
窓のカーテンから漏れる光に僕は目を細める。

僕はひとり暮らしだ。
だから朝食は自分で作る。

一日の希望を大さじ一杯。
揺れる不安を苦戦しながらお箸でひとつまみ。
なんでもない勇気を角砂糖ひとつ分。
昨日の後悔と疲れを少々。
仕上げに、秘密の隠し味。

最後に愛を注げば、ジュースの完成。

味はひとによって変わるらしい。
僕はひとり暮らしだからまだ分からないけど。

12/13/2023, 11:57:18 AM