雨上がり、元気にしっぽを振って見上げてくる君のリクエストにお応えして、一緒に散歩に出かけた。
雨上がりは、いつもの散歩コースでも、雨粒で濡れた木々や草花が陽射しにキラキラと輝いて、いつもより明るい気持ちにさせてくれた。
隣を歩く君も心なしかいつもよりウキウキしているような感じがして可愛い。
散歩コースの途中、広い河川敷におりた。君はいつもここで駆け回るのが大好きなのだ。
今日も草に付いた雨粒が毛を濡らすことなど全く意に介した様子なく、元気にくるくる駆け回っている。
君を穏やかな気持ちで見守っていたら、急に君が立ち止まって、空を見上げて「ワン!」と吠えた。そして、私のところへ駆け寄ってきて、また空を見上げて「ワン!」。しっぽをブンブン振って、私の顔と空を交互に見ている。
空に何かあるんだろうか。そう思って何となく顔を上げた私は、そこにあった景色に息を飲んだ。
まだ少し雲を残す青空に、虹が浮かんでいた。それも2本。なんだか奇跡を見たような気になって、私は興奮した。
「え、すごい!虹!しかも2本!これを私に教えてくれてたの?すごいよ!ありがとう!」
私は興奮して隣の君をぐるぐると撫で回した。君はどこか得意気な顔で撫でられている。
私は君を撫でながらまた虹を見て、その美しさに浸る。
君と見た虹は、奇跡的に綺麗で、特別な景色だった。
2/23/2025, 1:36:52 AM