降り積もる想い
大阪に雪が積もることは滅多にない。
窓の外、街灯の明かりを眺めていた。今夜遅くにかけて雪が続くようだ。ところによっては積雪となるらしいが、あまり気をひく話題ではない。夜が明けてみれば積もっているのは車の上だけ、なんてことはままある。そんな朝に淡い期待がしゅんと溶けたことは何度かあった。
__クリスマスみんなで遊ぼうよ
SNSが動いている。呼びかけた彼女の元に賛同が集まっている。その文字を見つめ、ぼくの指がまごつく。
__xx君は?
あの子の声で脳内再生される。ほんの少しだけ後悔がよぎってひとり狼狽える。自分には誘う勇気どころか、その資格すらないというのに。
__どうしてもってんなら
__どうしても!
__しゃーねーなぁ
__やった!!
これじゃあ本当に強がりだな。
窓の外、雪が強まっている。今回は積もるだろうか。積もるはずのないこの土地が、白く輝く朝が来るのだろうか。いいや、そんなことはない。あってはならない。そうだ。自分はよくわきまえている。
小さく息を吐く。
だけどそれでも、期待してしまうのはなぜだろう。
12/21/2025, 3:34:51 PM