バスクララ

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白い画用紙と色とりどりのクレヨンが目の前にある。
『将来の夢を描いてみましょう』と先生が言う。
私は一瞬の迷いもなく画用紙に線を踊らせる。
そうして出来上がった幼い私の描く未来は極彩色で明るかった。
では今、白い画用紙と色とりどりのクレヨンが目の前にあったとして、大人の私は将来の夢を迷いなく描けるのだろうか。
それはきっと難しいし、あの極彩色も今となってはもう描けない。
だからせめて嘘であっても明るい色だけを選んで描こうか。
何のまとまりもない、そして何を描いているのかよくわからない絵になりそうだ。

5/9/2025, 1:56:10 PM