『明かり』
小さなちょうちんを手にゆっくりと歩く
足元も同時に見ながら暗闇の中での唯一の明かりのちょうちんの火を絶やさぬように気を使う
どれだけ歩いただろうか…ふと足元には黒いフードマントを被った男性がいた
覗き込むように近くと男性の肩が震えている事に気づく
『大丈夫よ、私と一緒に歩きませんか?』
優しく声をかけると男性はおずおずとしながらも頷いた
すくっと立ち上がると、目線が近く感じたが、やや高めの上目線の男性がいる
『手をつないで、迷わぬように行きませんか?』
そっと手を出すと男性は一瞬ためらいつつ…そっと手を握る
人の体温がじんわりと手から伝わる
静かに歩いていく。あなたという人生の得てして喜びを持ちながら噛みしめて歩いていく…
7/8/2022, 4:06:08 PM