何気ない話だった。
職場で談笑しながら出てきた話題に〝もしも世界が終わるなら〟というものがあった。
他愛のない話しとして笑いながら話し合っていたけれど、私の胸はズキンズキンと痛くなっていた。
もしも世界が終わる時、それが災害であれば私は大好きな彼と一緒には居られないと思ったから。
彼は救急隊員だから、きっと人を助けるために走り回っているだろうな。
私は……それでもいいと思っていたんだ。
彼が危険な仕事をしているのは理解している。人を助ける彼は誰よりも格好いいもの。
それを止めるような人間でいたくない。
彼の仕事を理解したいもの。
でも、でもね。
私のそばにいてと言いたい自分だっているの。
もしも世界が終わるなら。
彼と一緒にいたい。
だって、彼がいない世界に耐えられそうにないもの。
おわり
四九〇、もしも世界が終わるなら
9/18/2025, 2:12:22 PM