木綿

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流れ星を初めて見た夜。

昔は蓄光して、電気を消したら光る星を天井に貼っていた事を思い出した。
緑色に光る大小の星を、ぼんやりと見つめているといつの間にか眠ってしまう。手を伸ばせば届く星は今もぼくの部屋の天井にあるのだろうか。

手の届かないそれは、あっという間に流れて濃紺より黒い空に溶け込んでいった。
自ら放つ、強い、息を飲むうつくしさ。

あの夜、瞳をビー玉のように輝かせた箒星を。
ぼくは生涯わすれない。


「きらめき」

9/4/2023, 1:57:32 PM