夏野

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突然の夕立。
雨宿りに軒下へ入ると先客がいた。
赤いレインコート、フードは深く被ったまま。
鼻歌が聞こえる。
なんだか心地よくて目を閉じた。


―――雨の音が止む。
目を開けると隣の赤がひらりと舞った。
「あ、虹だ。」

美しい声が響く。
彼女は微笑んで僕を見ていた。

僕は思わず声を掛けた。
「あの、さっきの歌って…」

5/31/2023, 3:32:08 PM