繊細な花
わたしは水も肥料もあげすぎて相手を枯らすけど
わたしは一滴も、水も肥料ももらえずに枯れる
いつも水を待ってる
きれいだね、といたずらに花びらをむしられて喜ぶ
あなたから水がもらえると信じて
ほんとは肥料をもらっている子が羨ましいけど
水でいい
水でいいから、あなたからの水が欲しかった
さみしさに寄ってきた虫を、振り払わない
わたしの葉は穴だらけで、向こう側が見えてる
いくら食べてもいいよと葉を差し出す
ほんとうは痛いし、つらいのに、やめてと言えない
ひとりで泣いた
何日も泣いた
あなたからの水をもらえないと知って泣いた
あなたからの水を諦めて泣いた
何日も過ぎて
突然の嵐に、茎がポッキリ
嵐にのまれて、どうにでもなればいいと思った
嵐が過ぎ、太陽が出て気がついた
周りに散らかっていた、しおしおの、わたしの花びら
どこかへ飛んでったみたい
わたしの葉を、いつまでもむしゃむしゃ食べていた虫も、
もういなかった
雨水をいっぱい吸ったわたしは、立ち直る
穴だらけの葉で涙をふいた
6/25/2024, 11:04:20 AM