憂一

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『また明日』

明日になれば世界は良くなる。
これは信じていいことだ。何故って、いつも俺の目に映る世界は最悪だからだ。なんでこんなにも最悪なものになるか納得いかず、生まれて此方の二十数年、不安でしょうがなかったが今やっとわかった。明日になれば世界は良くなる。これは信じていいことだ。

どうして公園の乗り物なんだか置物なんだか分からないカバのオブジェのことを今思い出すのか分からないが、これも同じようなことなのだ。

俺は人間というものは皆、より良い世界を目指しているものだと思っていた。しかしいつの時からか、人は疲れ果てる。上へ登るにはエネルギーが必要だからだ。そうして段々、1人ずつ登るのをやめて下り始める。こうして世界というのは最悪な方向へ向かっていくのだ。

しかし、もう十分に休んだだろう。十分な飯にありつけず、人は善人の振りをしながらも互いを殺し合い、活力なんてものが全く無い生き恥を晒しているようなやつが街を多い尽くしているのだから。既に世界は行き着くところまで行き着き、最悪なものになったのだ。だからこれからはより良くなるしかないのだ。

明日になれば世界は良くなる。
全く馬鹿げた夢物語かと思う奴らもいるだろうが、俺はこの物語を心のそこから信じている。
今こそ俺は、お前たちと同じ世界を生きられるような気がする。

5/22/2024, 11:02:12 PM