雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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―すれ違い―

『…バカ!もう知らない!!』
「どっちがバカだよ。勝手にすれば?」

私は1人、部屋にこもり泣いた。
さっきの会話を思い出してベッドに突っ伏して泣いた。
怒りに任せて、いけないことを
口走った自分に泣いた。
たぶんもう、彼と一緒に生きていけないことに泣いた。
そして泣いて初めて気づいた。
泣いて泣いて、苦しくなった時に、
優しくかけてくれる彼の声が
どれだけありがたかったか。
貴方が居ないだけでこんなにも不安になることも。
でも、私は知っている。
1度すれ違ってしまえば、
もう元の関係は遠いものなんだと。
願えど祈れど泣き崩れど、決して叶わないものなんだと―。

そんなことない。
今まで助け合って生かし合ってここまで来たのなら、
それは、正反対の方向に進む2人じゃない。
隣合って同じ道を共に進む2人だ。
だからきっと『すれ違った』んじゃなくて、
『足並みが乱れた』んだ。
だからきっと大丈夫。
もう1度2人でちゃんと向き合って、
もう1度2人でちゃんと理解し合って、
もう1度2人で息を合わせて、
そうすれば、きっと、願うとおりになる。
戦友同士なる愛人達に幸あれ。

10/21/2022, 2:07:46 PM