また会いましょう
ボクは毎日見ていた、夜から朝になっていく時間を。
ボクは臆病だから前に進むのが怖くて、だから夜に寝るのも嫌いだった。
だから、ずっと夜は起きて、朝日が昇るのを窓から眺めてた。
何もしないで、ずっと、じっと、空を見て、不安な気持ちを忘れるように時間と共に明るくなる空を見て、自分はこの世界に居ないような気がした。
人と同じことが出来ない
人と同じ気持ちになれない
人と同じように笑えない
人と同じことが分からない
だから、親や大人、友人からはたくさんのボクの生きる道を決められてきた。ずっとずっと、言われたことをやり続けた。
そこに自分は居たかもしれない。
笑ったり、気持ちが分かったり、同じことが出来たり、してたかもしれない。けど、それは自分じゃない、って分かった。
これは決められた、誰かに作られた自分。
それが苦しいとか、辛いとか、楽しいとかも分からなくなってて、気づけば前に進むのが怖くなって、一人で空を眺めていたんだ。
この空の下で、人は生きている。
ボクも、同じ人なのかな?
ボクはそもそも、人なのかな?
もしかしたら、宇宙人かもしれないし、可愛い小動物かもしれないし、ロボットみたいな機械かもしれない。
ボクに命はあるのかな?
この命って、何のためにあるんだろう。
こういう話をすると、人はネガティブだと思い、心配してくる。
けど、違うよ。
これは、自分が自分だと考えれる、欲を満たせる妄想。
自分って何者か?自分は何のために生まれて、生きてるのか?
自分というのは一番不思議な生き物で、自分が自分のことを一番理解できないからこそ、その生きる時間が楽しいと思える。
だから、嫌なんだ。
ボクは前に進むために動けるはずなのに、臆病で、妄想癖がやめられないし、夜は寝ないで空しか眺めてないし、気づけばボクもそういう大人になっていく。
人は必ず、何者かになる。
夜は必ず朝が来る。
子供は必ず大人になる。
ボクは、一体どんな大人になるんだろう。
理想の大人なんて、ボクからしたら嫌なものしかないけど、けど。
「それでも、ボクはボクだ。」
臆病でも、妄想癖があっても、夜は寝れなくても、
ボクの世界でボクは存在する。
この世界にいなくても、ボクの世界には存在するんだ。
「今日は寝てみようかな。」
また明日の朝、ボクはまたボクに出会う。
夜から朝まで起きるボク、夜寝て朝に起きるボク。
どっちも同じものなのに、全く違うように感じる。
それでも臆病な自分なのは変わらないだろう。
「おやすみなさい」
また、明日。
11/13/2024, 11:15:22 AM