古井戸の底

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信号が青に変わった瞬間、愛寧は駆け出していた。
最寄り駅まであと500メートルほど、次の電車が来るまであと5分、絶対逃すものか。
愛寧はとにかく早く家に帰りたかった。家の中にある、彼女の部屋が、彼女にとって唯一呼吸のできる場所なのだ。

【信号】

9/5/2025, 11:54:03 AM