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「うん、美味しくできてる!」

味見した母が唸った。
 お腹をすかせながら野菜を切り、牛肉を炒めるのは大変だった。今、色とりどりの具材がカレーに包まれて鍋の中で踊っている。台所はカレーの香りで一杯になっており、鍋からフツフツと音がする。切った野菜の大きさは等しくないが、それでもほとんど一人で頑張って作ったのだ。母の声を聞き、僕は一仕事やり終えた達成感に満ちていた。
気づけば僕は空腹を我慢できなくなっていた。

「どれどれ」

 僕も母の使った小皿に一口分いれ味見をする。口にいれた瞬間、全身が震えるように感じた。野菜は程よく柔らかくなっており、カレールーと絶妙にマッチしていて口いっぱいにカレーの香りが感じられる。小皿一口分で僕は満足して自然と笑みを浮かべた。


4/1/2023, 4:30:15 AM