瞬きの刹那、枯れ葉がハラリと落ちた。
「この葉が散ったら、ってやつ、あるじゃん」
ベッドから外を見ている彼女が言った。
「病気、そんなに悪くないって自分で言ってたじゃない」
「違うよ、散る頃には退院できるんじゃないかなって言おうと思ったの!」
私は少し焦った心を落ち着かせるために深呼吸した。
「ねえねえ、体育祭どこが勝った?」
「A組」
「あー、我らがD組はダメだったかぁ」
「準優勝だよ」
私は指でVサインを作って彼女の顔の前に突き出した。
「え、頑張ったね!てかなんでそんなにテンション低いの?」
「あんたこそなんでそんなにテンション高いの?」
「君が来てくれたから嬉しくて」
彼女はそう言って、恥ずかしそうに唇を尖らせた。
「私も会えて嬉しいよ。早く元気になって一緒に学校行こうね」
人生の刹那、青春の一ページ。
4/28/2023, 4:17:43 PM