『小さな勇気』
視界の端に友達と笑い合う背中を捉える。
ゆるりと弓なりに細められた瞳が一瞬こちらを見た気がした。
その動きに合わせて恐らく好きであろうリュックについたキャラクターのキーホルダーが揺れる。
途端に怖じ気づいて、隣に並ぶ友達に泣きついた。
「無理だよ…。告白むり…」
「大丈夫だよ。がんばれ!」
優しく肩を叩かれて、萎れかけていた心がまた息を吹き返す。
「ありがとう!行ってくる!」
深呼吸をひとつ。
大丈夫だよ、なんて自分に言い聞かせる。
小さな勇気を振り絞ってあなたに声をかけた。
1/27/2025, 10:25:34 AM