「去年は『寒さが身に染みて』だった」
ちょっと書きやすく修正されたカンジはする。
某所在住物書きは過去投稿分を確認しながら、呟いた――これで5日連続の、お題差し替えであった。
「別にお題、変えても俺は構わねぇけどよ。
あの、『Web版』の方、2023年頃配信されたお題ラインナップから、一切変更されてねぇよな?」
「Web版」とは何か。ナイショである。
ところで。
「ひらがなのお題は、結構、自由度が高い」
物書きは考える。
「『あ、戦いね』とか、『阿多田か伊根』とか、漢字変換が可能なんよ。だって『暖かいね』でも、『温かいね』でもねぇからな」
今回は戦いの方で行かせてもらうぜ、と物書き。
すなわち、以下のおはなしである。
――――――
前回からの続き物。「ここ」ではないどこかの世界に、「世界線管理局」なんて厨二ちっくファンタジーな団体組織がありまして、
そこはビジネスネーム制を採用しており、全員、動物の名前で統一されておったのでした。
今日のお題回収役は、ドワーフホトと言いまして、ウサギのビジネスネームの持ち主。
同期で友達のスフィンクスから頼まれた用事を、丁度やり終えて職場に戻ってきたところでした。
「うぅぅ。にがい。すっぱい。しぶいぃ……」
自分の同僚で先輩で師匠、アンゴラに、スフィンクスが作った「未来への鍵」を持っていって、手渡すまでが用事だったのですが、
この鍵の不思議なチカラによって、ドワーフホト、
東京全土の「酸っぱい」と「渋い」と「渋&酸の合体技としてのニガい」を合わせて煮詰め凝縮したような金平糖によって舌が総攻撃を受けまして。
本当に、ほんとうに、酷い目に遭ったのでした。
「ひどいよぉ。 ひどいよ、スフィちゃん……
あたし、スフィちゃんに何か、うらまれること、
……少なくとも『恨まれることは』してないよぉ」
わぁん。スフィちゃん、鬼ぃ。鬼畜猫。
舌に残る酸味と渋味と苦味の記憶を、濃厚生シュークリームのホイップで誤魔化しながら、
ドワーフホト、職場に戻ってきたのでした。
「鍵、ちゃんと手渡してきたよ」とスフィンクスに、報告するまでが用事です。
ところでスフィンクスが仕事をしている筈の経理部のあたりが、どうもこうも、賑やかですね……?
「賑やか、っていうより、さわがしーよぉ?」
ズドドドド、ドギャギャギャギャ!!
スフィンクスが居る経理部に、近づくにつれて場違いな、戦場のごとき魔法発動音が響きます。
ズダダダダ、スパパパパン!!
スフィンクスが居る、経理部のコタツに近づくにつれて、魔法の防御音や無効果音も届きます。
「あ、たたかいね。戦いの音ねぇ……」
そうです。「あたたかいね」を、「あ戦いね」に変換して、お題を回収するおはなしなのです。
で、誰と誰が戦っておるかと申しますと。
ドワーフホトの舌を酸味と渋味と苦味でコテンパンにしてしまったスフィンクスと、
ドワーフホトと同じ目に遭わされた、総務部総合案内課の、コリーです。
「今日という今日は許さんぞスフィンクス!!」
ズドドドド、ドギャギャギャギャ!!
普段は受付に居る犬耳コリー、「本来の姿」に戻って牙をむき出しにして、光の弾をぶつけます。
「私を、実験のネズミ同然に使いおって!!」
相当キレているようです。そりゃそうです。
前回投稿分の「未来への鍵」と同じ製法で作られた酸味と渋味と苦味の金平糖を1粒、
それから同じ製法で作られた激辛の金平糖を2粒、
実験として、食わされたのですから。
「ハーッハッハッハァ!!
効かねぇな!全然効いてねぇぜ、駄犬ちゃん!」
ズダダダダ、スパパパパン!!
コリーの本気を爆笑しながら、全弾防御して無効化して、爆笑してるのがスフィンクスです。
「俺様の傑作、24機の不知火とデコ〜ポンの前には、すべてが無力なのだぁ!!」
キングマンダリンの統合合体承認、する必要も無いぜぇ!ふぅはははァ!!
爆笑スフィンクスを守るのは、24個と1個、「しらぬい」タイプのミカンたち。
ポォンポォンと跳んではねて、小さなエネルギーシールドを展開して、コリーの攻撃をことごとく、全部無駄無駄してしまうのです。
「これが、俺様の至宝、水晶文旦と日向夏を守護する精鋭の実力、その4分の1だぜェ!
はははっ!!ハァーッハッハッハァー!!」
「うぅーん……」
駄犬と鬼畜猫が経理部で、ズドドドスパン、とっても楽しそうにじゃれておるので、ドワーフホトは用事完了を報告できません。
「あとでで、良いよねぇ」
しかたない、しかたない。すべては「あ戦いね」のお題回収の影響です。
ドワーフホトは諦めて、一旦、自分の収蔵部収蔵課のブースに戻ることにしたそうな。
おしまい、おしまい。
1/12/2025, 4:56:24 AM