四畳半に初夏が流れる。ただ蕩蕩と滔滔と流れ込む。四畳半はギター。或いは地球儀。或いは洗濯物。それらはときおり初夏に飲み込まれながら時を飲み干していく。うとうと、うとうと、押し流していく。洗い流された四畳半の地球にポツンと遺された幼少期。その地図の切れ端。見覚えのある風景。そんなふうにしていると五時の鐘が鳴った。夏草の匂いが心地良い。 (狭い部屋)
6/4/2022, 12:53:43 PM