香草

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「隊長!SOSを検知しました!」
「うむ、場所はどこだ?」
「近くのアパートからです!」
「よし行くぞ!!」

怒号、食器が割れる音、女のすすり泣く声。
小学生くらいだろうか、部屋の片隅でうずくまる少年。昔買ってもらったであろうヒーロー人形を握りしめている。

時間を止める。
少年の背中に希望の粉を降り注ぐ。

悪者を倒せるわけではない。すべての人を助けられるわけでもない。
どうせいつか忘れ去られる存在だ。

ただ、絶望に堕ちる寸前に心の支えになるために。
少しでも希望の種となるように。

大丈夫。まだ諦めるな。
どんなに辛い状況でも希望を持ち続けろ。
ヒーローはいつもすぐそばにいる。

12/7/2024, 11:01:23 AM