きゅうり

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自分が望んで飛び立つことを願った。
いつも手や足に枷が付けられているような窮屈さがあって苦しかった。

雲ひとつない、私を遮ることの無い、自由が欲しかったはずなのに。
いざ目の前に澄み切った空を差し出されると今度はその開放された自由に何をすればいいのか分からなくなる。

人間、わからないものだ。
ひとつの箱に閉じ込められて、出たい出たいと願っていたはずなのに、いざ箱から取り出されて、雲ひとつない快晴の空を飛び回れるというのに、今度は自由なことを恐れ始める。


結局私は、自分の環境に言い訳していただけなのかもしれない。



―――飛べない理由

お題「快晴」



4/13/2024, 3:22:34 PM