貴方の声に、恋をした。
始まりはきっとそうだった。
優しくて落ち着く、貴方の声が好き。
表情や行動が冷たくたって、
声を聞けば照れ隠しだとすぐに分かる声が。
私、貴方の声が聞きたくて、ずっと隣で過ごしていた。
そうしたら、貴方と手を繋いで過ごす時間が好きになった。
貴方の声が聞きたくて、貴方の部屋に押しかけて。
そうしたら、貴方と一緒に暮らすことになった。
私、貴方とずっと一緒に居たいと思ったの。
時が経って、私と貴方の手が、皺のせいで
ぴったりと重ならなくなっても。
貴方に会うために、
病室の番号を覚えなければならなくなっても。
たとえ、吐く声が言葉を紡げずに、
唇さえも酸素マスクに覆われようとも。
私達、声が枯れるまで、愛し続けよう。
「声が枯れるまで」 白米おこめ(遅刻)
10/22/2024, 6:29:01 PM