今回のお題が「大好きな君へ」とのことなので、
大好きな物を追い求める不思議なハムスターのおはなしを、ひとつご紹介します。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこの法務部執行課、実動班特集情報部門は、まさかの全所属局員が、ハムスターという部署。
なのに法務部自体のビジネスネーム貸与規則が付与規則であるせいで、
ハムスターたちが貸与されておるビジネスネームは、全部ぜんぶ、鳥の名前だったのでした。
ハムスターなのに鳥とはこれいかに(しゃーない)
さて。そんなこんなの特集情報部門です。
情報部門所属のハムスター・カナリアは、ハムスターらしくナッツが大好き!
その日は非常に品質の良いミックスナッツが、ゴロゴロ3袋も手に入ったので、
1袋を部署の差し入れに、
1袋を自分のミックスナッツパーティーに、
そして最後の1袋を、人間女性の収蔵部収蔵課局員・ドワーフホトへのプレゼントに、
それぞれ、使うことにしました。
ドワーフホトは、とっても優しいお嬢さん。
近くに行っても、ちっとも危険がありません。
別に人間女性に、恋してるワケではないのですが、
カナリアはドワーフホトのことも大好きで、
ドワーフホトは美味しいものが大好き。
「よし。大きいピザを作ろう」
とっとこカナリアは小さな体で、大きくて美味しいハニーナッツピザを焼くことにしました。
よいしょ、よいしょ。
とっとこカナリアは一生懸麺、大好きなドワーフホトのために、ピザの生地を広げます。
よいしょ、よいしょ。
大好きな大好きな君へ、君の笑顔が見たくて、ピザの生地を広げます。
「こんなモンかな?」
もっちりピザ生地がよく広がったら、ピーナッツバターとフレッシュチーズの混ぜものを塗って、
さらさら、ざらざら。上等なナッツを散りばます。
「まだチーズが足りないかな」
カナリアはナッツがイチバン大好きですが、ネズミらしくチーズも好物。
ナッツの上にナチュラルチーズを振りかけました。
「よし!あとはオイルだ」
オリーブオイルを適量注いだら、焼く前にピザを丁寧に、紙箱に詰めて収蔵課へ内線。
「やあ、こんにちは、ホトさん」
とっとこカナリア、大好きな君へ連絡です。
「美味しいナッツピザが、ちょうど仕込み終わったんだ。お昼ご飯がまだだったら、どうだろう?」
とっとこカナリア、大好きな君へアピールです。
というのも収蔵部収蔵課の局員・ドワーフホトは、
昔々の特殊即応部門長・通称「先代ルリビタキ」が局内に実費で作った隠しキッチンの場所を、
諸事情で、知っておりまして。
しかもその隠しキッチンのうちの複数個には素晴らしい火力の上等な窯があるのです。
『ごめんカナリアくん、今日のお昼は、スフィちゃんと一緒に食べる約束なのー』
「経理部のスフィンクス?店は、決めてあるの?」
『まだぁ』
「まだ焼いてないからミックスナッツピザにトッピングでスライスみかん追加できるよ」
『スフィちゃんに相談してみr
スフィちゃんミカンピザ食べたいって〜』
ミカン!ミカン!マジか!
内線の奥からドワーフホトではない声が、すごくすごく嬉しそうに、漏れてきます。
カナリアはドワーフホトのことも大好きで、
ドワーフホトは経理部のスフィンクスが大好きで、
スフィンクスはドワーフホトとみかんが大好き。
「よし、そっちにすぐ行くよ!」
とっとこカナリアは嬉しくて嬉しくて、
さっそく、箱に詰めたピザをドワーフホトが居る収蔵部収蔵課に向けて、運びます。
ミカンは敢えて、付けません。ミカンが大好きなスフィンクスは、間違いなく、とても良いスライスミカンをストックしているのです。
「しゅっぱつ!」
局内の物資配達ロボット「クロネコ」を1匹つかまえて、とっとこカナリアは上機嫌。
大好きなドワーフホト(とスフィンクス)のもとへ、意気揚々と、向かうのでした。
3/5/2026, 6:51:53 AM