未来は見たくない。見なくたって、最後は絶対に死ぬと、(誰もが)分かっているのだから。
『ワンピース』では、冥王レイリーと初めて会った時、ウソップが「じゃあ、ワンピースの事も知ってるんじゃ」なんて質問をしようとして、ルフィに激怒された。
先が分かってしまった冒険は、もう冒険ではなくなるからだ。
ゴヤの絵に『我が子を食らうサトゥルヌス』というのがある。
これはギリシャ神話で「貴方は子に殺されるだろう」なんて予言を信じて、次々に子を食べてしまう姿を描いているのである。おぞましい。
神話にはこのパターンがあって、結局は父と息子が殺し合いする羽目になってしまうのだが、
そもそも、そんな予言さえ聞かなければ悲劇は起きなかったかも知れないのだ。
『アルスラーン戦記』では、これの少し違うパターンだったが、やはり予言を信じたばかりに、名君の誉れ高いはずの王が愚行を選んでしまう。
未来なんて知っても、あまり得はないような気がする。
私自身は、パラレルワールドな世界観を持っているので、今、もしも未来を見てしまったとしても、
その後の生き方次第で未来は変わるだろうと予想してしまう、と思う。
だから、未来を見てもあまり思い悩まない筈だ。
仮に素晴らしい、栄光の未来を見たとしても、絶対にそうなるなんて保証は何処にもない。気が緩んでダメになるパターンもあるだろうし。(物語の鉄則だろう)
60歳も近いから、その辺はむしろリアルだ。暴飲暴食とまで行かなくとも、美味いものばかり食べ続けるだけで、肥り、体調は崩れるのではなだろうか?
本当の未来が見えてしまった時、
その人の人生はもう、そこで終わってしまっているのかも知れない。
4/20/2024, 1:02:38 AM