一攫千金を賭けた勝負、所謂ギャンブル。
聞いた話しだが海外規模になると命懸けの依頼もあるらしい。
---私の置かれてる状況は
〝命懸け〟と言うより〝一か八か〟と例えるのが正しい。
もう少しフラットに言えば〝当たれば吉〟この方が内容的には重く感じない気もする。
だが現実は紛れもなく〝一か八か〟で、互いの命が懸かっているのだ。
状況の整理をしよう。
いま私の目の前には、田舎で歩いていれば必ず目に入る用水路で溺れている子猫が二匹いる。
手を伸ばせば届く距離、と言えば間違いは無い。
のだが、脆い網を補う形で覆われた有刺鉄線の奥に子猫がいるのだ。
問題点が挙げるなら、
① なぜそこに入りこんだ?のか
② 猫アレルギー持ち
の二点だ。
猫の命が懸かっているのに猫アレルギーを理由に助けない道理はない。
しかし、有刺鉄線の奥にいる猫を助けるには手を伸ばし、尚且つ傷付けないように引き出す難点がある。
その時自分の腕を傷付けない保証はない。そして私は猫アレルギーだ...。
難しい状況にかわりはなく、
どっちを選んでも片方が辛い想いをする事になる。
こんな事を理由にすれば動物愛護団体は何と言うだろうか?
こうも考えてるうちに猫の体温は下がり結果的に待つのは〝死〟だ。
助けられるはずだった命をみすみす殺したも同然。
---20分後、私は酷く怯えている猫を抱えていた。
葛藤を抱えつつも救える命を見過ごすなんて出来なかったのだ。
このエピソードを友人に話し言われた一言が
「 どんな気持ちだったの? その時の状況って 」
〝天国と地獄〟だったよ
5/27/2023, 3:31:46 PM