雪を見ると、胸が痛む。その痛みは、胸の奥を、針でチクリと刺したような痛み。それだけじゃない。胸を押しつぶされてるような痛みや、金槌で叩かれたかのような痛みもある。
この痛みは、多分、雪の降る、寒い冬の日に、それも特別な、クリスマスイブに、大好きな人に振られたからだと思う。
彼女には、僕の今まで貯めてきた愛を全て捧げて、他の誰よりも、僕が1番大切にしたいと思っていた。
振られた時のショックは、いつまでも忘れないと思う。忘れたくても、体は覚えてる。この痛みを取り除きたくても、痛みから逃れたくても、雪が降ると、思い出す。
僕は、彼女のことを何も理解できなかった。甘やかすこともできなかった。リードすることもできなければ、守ることもできなかった。そんなことがあったから、雪が降った時に感じるこの痛みは、僕が彼女にしてあげられなかったことへの罰だと思う。
この痛みがなくなった時、僕への罰は終わる。そう信じて、今年の冬も、来年の冬も、僕は雪を待つ。
12/15/2023, 1:40:18 PM