しじま

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 どこまでも高く青い空を見上げても、君は見えず、ただ一筋の白い煙だけが上がっていた。

 人は死んだら、ドコヘ行くのだろう。
君が居なくなってから、否、居なくなると知った日から、毎日考えるようになった。

 治療の甲斐もなく、日に日に弱っていく君の、蒼く細い手を優しく握ってやることしか出来ない日々の中。

現実逃避していたんだ、天国や極楽に居て綺麗な時の顔で、幸せそうに笑っている君を。

まだ生きているのに、生きていたのに。
みてやれなかった、みていられなかった。

 後悔しか残らない最期だった。

冷たくなった君に謝ることしか出来なかった。
もう、聞こえないのに、ここには居ないのに。

死んだらドコに行くか、なんて知らない、どんなに考えたところで分からない。

伝えたいことがたくさん有ったのに、ちゃんと時間は残されていたのに。

君を失うのが恐ろしくて、言えず終いになってしまった。


 白い煙が空に融けるように消えていくのを見届けて、踵を返す。

 いつか、君と同じ所に必ず辿り着くよ。
心から君に伝えたい言葉があるんだ。

 だから、
その時まで、そこで待っててくれないかい?

テーマ「届かぬ想い」

4/15/2023, 5:25:12 PM