わたしは彼に最後まで片思いだった。
学校へ行くときはいつも彼に会えるのがうれしくて。
街中でもわたしたちは偶然会うことが多かった。
本屋に電器屋、CDショップ。
すれ違ってしまいそうなどこかの通りとか。
気楽な友だちづきあいだったから、出会うと、
「なんだー、またお前かよー。」
と悪態をつかれる。
「こっちこそだし。」
と軽く肩にグーパン。
そんな仲だった。
進路を違えて、わたしたちの生活圏が変わってしまった。
学校はもちろん、街中でももう会わない。
それでもわたしは、あいつと会ったそこかしこで彼の姿を探し、
似た人を見るとドキリとし、
いないと確認してはがっかりとする。
いつまでも いつまでも…
忘れられるわけがない…
「忘れたくても忘れられない」
10/17/2024, 4:19:26 PM