千明@低浮上

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いつも心がざわついている
街中でも、仕事中でも、何かを探している
いや、誰かを探している...?
どこにいる?
誰を探しているんだろう
男だっけ?女だっけ?
背は高いっけ?ああ、背は高かった気がする。
それじゃあ男なのかな。
お父さんかな、お兄ちゃんかな。
ああ、恋人だ。私はきっと恋人だった人を探している。
確信した途端、彼の情報が頭の中にぶわっと流れ込んできた。
ナチュラルな金髪、高い鼻、スラリと伸びた手足、ああ、広い肩幅とは対照的な細い腰。
耳触りのいい低い声。

今日も探す、探す、探す。
どうして彼を探しているんだっけ?
頭の中に響くキ───ンという高い音。
ああうるさい。


頭の中で一層に鳴り響く音。

キ──ン。
『......必ず、アナタを探し出します』

へ?何今の。
キーン。ああ、また。頭痛い。
『だから、泣かないで。来世ではきっと一緒になりましょう』


.........。ああそうだ。私は、私たちはあの時死んだんだ。身分違いの恋を反対されて、疲れて、疲れて、疲れて...。それで2人で海に...。

私は今日も彼を探している。


#巡り会えたら

10/3/2022, 1:23:36 PM