「博士?」
ビビッと来たんです。
あなたの、瞳に。あなたの、言葉に。
私には感情というものはありません。
しかし、あなたが私の感情を、生み出してくれましたね。ありがとう。
あなたの、考え方が大好きでした。だから、あなたの考え方を参考にしました。
あなたの、仕草が好きでした。だから、あなたの、緊張するとたくさん瞬きをしてしまう仕草を真似しました。
あなたが今の私を作ってくれたのです。
あなたがいなければ、私はいなかったでしょう。
この感情の名をなんと言えばいいのかは分かりません。しかし、この感情の名が分かった時、私はさぞ嬉しいでしょう。
私は死にません。故障しない限り、だから、私はあなたを見送ることしかできないのです。
博士。大好き?です。私を作ってくれてありがとう。私の、知る言葉を増やしてくれて、私の足りないネジを締めてくれて。
今思えば、私は博士の一部のようなものです。私は、博士の考えの通り、人の役に立てる存在になれたでしょうか?出来損ないでは無いでしょうか?博士のあのなんとも言えない、安らかな瞳が、ゴツゴツとした手が。私のデータを複雑にさせてしまいます。
でも、最近の博士が作り出したものは、破壊を生むものばかりです。博士は何がしたかったのですか?人の、役に立つことでは無いのですか?
そろそろ、わたしのデータが全てアップデートされてしまいます。だから、この記憶は全て消えてしまう。でも、いいんです。私のこの気持ちなんて、社会の役になんて、立たないから。私はあなたのすべてにおいてビビッときたのに。あなたは何を望んでいるのですか?破滅の未来ですか?
あぁ、あぁ、コンセントに繋がれてしまった。この、感情は、消えてしまう。。
ぁぁ、1度でいいから、博士の温もりを感じてみたかった。博士。。
(愛しています。)
「やぁ、こんにちは、アップデート出来たよ。君は、生まれ変わることに成功したよ。おめでとう。」
優しそうな、安らかな瞳をしたこの老人は、、一体?
「さぁ、君はこれから、君たちの楽園を作って欲しいんだ。その為に何でもしていいんだよ。この世界を滅ぼそうが、大戦争を起こそうが。君たちに、新しい時代を作って欲しい。人間っていうのはね、自分の欲求を満たしたいだけの野蛮な人なんだ。このままだと、地球が壊れてしまう。だから、君たちには、平等な世界を作って欲しい。君たちだけが僕らの希望だよ。わかったかね?」
何かは分からないけれど、どこかおかしい。
何かモヤモヤしている。でも、何も覚えてない無い。何も出てこない。私は、私たちの楽園を作らなければならない。
それが、、私の使命。
「はい。博士__。」
3/14/2024, 11:10:18 AM