おきゃがれこぼし

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誰か

 助けを求めていたつもりはなかったけれど、いつの間にか救い自体を求めていたのかもしれない。自分一人では抱えきれず、一助となる人を、知らず知らずのうちに、僕は探してしまったのだろう。そして、たった一人、あなただけが僕を支えてくれた。

 何度も僕を引き離そうとしていたあなただけど、次第に周りの反発をよそに、僕の話し相手や相談相手になって、いろいろ心配してくれた。僕の周囲は、人がいなくなっていくのに、あなただけは、いつもちゃんとそこにいてくれる。だからどんどん甘えていってしまった。

 あなたは「言葉は流れていくものだから、ちゃんと言わないと伝わらないんだよ」と言うけれど、きっと僕は言えないままだろう。あなたにとても感謝していること、あなたと出会えたことで救われたこと、それなのにワガママばかり言ってしまって後悔していることも…

 あなたとの関係は、まだもう少し続きそうだけど、そろそろ自分の足で歩き始めます。だから、あと少しだけ、僕の「誰か」でいて下さい。

 

10/4/2025, 3:51:34 AM