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子供のままで

好きな人と想いが通じ合って、ずっと寄り添って生きていく。
ぼんやりと、けれどしっかりと抱いている夢は、子どもの頃からずっと変わらず。絵本の最後のページに微笑む王子様とお姫様に憧れていた。
歳を重ねれば、好きな人と結ばれることさえ奇跡で、出会うことさえ難しいことも分かってくる。
そうであるから、今自分の隣で手を繋ぎながら一緒に庭を散歩している彼の存在が、眩しくて仕方ない。
刀剣男士と審神者、付喪神と人間、本丸の長と臣下。どれを見ても結ばれない。結ばれてはならないと彼が弟に話しているのを聞いて、ああそうなのかと一度は諦めた。しばらく避けて行動した時期もあった。主の行動に気づいた彼も、業務以外では側に寄らなくなった。後から聞いた話だが、そんなふたりの様子を見て、弟達は頭を抱え、緊急会議を開いたそうだ。ちなみに初期刀をはじめ他の男士達も、協力者になり得るもの達は皆参加させられたようだ。大倶利伽羅も引きずられて参加したのだと、秋田がこっそり教えてくれた。結局本丸全体を巻き込み、全員に背中を蹴飛ばされ、見守られ、わたし達は恋びと同士になった。
それからなんやかんやあって、やっと手を繋ぐまでに至る。次のステップまではまだまだかかりそうだ。
しかし、こうしてたまに目を合わせながら歩いていると、このまま寄り添い続ける未来も見えてくる気がするのだ。

5/12/2026, 2:51:48 PM