誰もいない教室で、誰かが机に掘った落書きを指でなぞる。少し丸みがあるけれど、どこかとげとげしさもあって、ツルツルしてするするなぞれるところとガクッと引っかかるところもある。今は大人になっているであろう誰かの同い年くらいだったときの思い出をのせて、せつなく時間が過ぎていく。カーテンが夏風を運んできて、もうすぐ秋がくることを木の葉が知らせた。
9/7/2025, 12:45:43 AM